《 収録内容 》（収録日 2020.3.15） １「牡蠣と香りの関係について」 株式会社味香り戦略研究所 主席研究員 高橋貴洋 ２「牡蠣とノロウイルス」 オイスターズジャパン 代表 三村大輔 ３「地種と三倍体」 うみの株式会社 代表取締役社長 中村智治 ４「陸から海への物質循環の変化と温暖化の影響」 株式会社海藻研究所 所長 新井章吾 ５「牡蠣の大量斃死問題」無料公開中！ うみの株式会社 代表取締役 中村智治 オイスターズジャパン 代表 三村大輔 ６「牡蠣と文化人類学」 オーストラリア国立大学 クロフォード政治経済研究所 アジア太平洋学部 文化人類学者 吉田真理子 ７「オーストラリア+ニュージーランド養殖法」 ヘクセルシステムズ 代表 ゲリー フリップファームシステムズ 代表 アーロン

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「牡蠣と香りの関係」 講師：味香り戦略研究所 主席研究員 髙橋貴洋氏 味香り戦略研究所とは「“おいしさのパズル”を完成させる」会社で、主席研究員を務めながら、プライベートではオイスターマイスター（当時）として活躍しております。 牡蠣の味香りを研究するラボラトリーパーティーを主催したり、知る限り牡蠣に関する味香り研究は世界最高峰です。 牡蠣業界では「ハカセ」の愛称で慕われ、今回は牡蠣好きにとってはとても興味深い「牡蠣の知られざるおいしさと実体験」を講演いただきます。 メディア出演も多く「まるなげ寺 フジテレビ系列 5/31 16時」「ホンマでっか！？TV 5/27」にも出演予定。 料理研究家ではなく生産者でもない。味香りのプロから観る牡蠣の世界。 牡蠣に関わる全ての方が楽しめる内容です。 味香り戦略研究所　http://www.mikaku.jp/index.html

「 牡蠣とノロウイルス」 講師：オイスターズジャパン（日本牡蠣協会）代表 三村大輔 「ぼくは食中毒になったことがないけれど、自分が情報をもっていない産地の牡蠣は決して生では食べない。もっといえば生産者の言うことも根拠がなければ信じていません。怒られたらごめんなさい笑。」 という彼はオイスターズジャパンの代表で、オイスターバーをはじめ多岐に渡る事業を展開している社会的信頼も兼ね備えた経営者でもある。 彼の活動は冒頭のコメントからわかるように、客観的にものを判断し、信頼に値するだろう。人によっては冷徹に感じるかもしれないが、今一度「生」で食べるリスクとは何かを考えてみて欲しい。 「ソレ」って本当に食べられるのだろうか？ 日本には様々な「生食の文化」はあるけれど、「ソレ」は周りの人が食べているから大丈夫と思っているに過ぎない。 「ソレ」を食べられる理由を彼の講演を聞いて感じて欲しい。いままで信号のない交差点を目隠しして渡っていたようなものだから。 執筆 ハカセ（高橋貴洋） ■ 講師コメント 「牡蠣は何となく怖い」「あたる」というのは未知に対する恐怖とも言えます。 実際、牡蠣は生で内臓まで食す特殊な食材で、どんなに新鮮でも海が汚染されている場合には牡蠣も汚染されるからです。 しかし「牡蠣＝食中毒」という根拠のない感情論で牡蠣を避けなくても、食中毒になりにくい海域や科学的な検査方法があり、現在、たくさんの人に安全に美味しく、そして楽しくなるような知識を広めていくことを目的としてオイスターズジャパンを創立し、講習・検定を通じて安全な牡蠣の選び方やおいしい牡蠣の選び方を広めていく活動をしています。

「地種と三倍体」 講師：うみの株式会社　代表取締役社長　中村 智治 うみの株式会社は、1986年に真珠貝の研究所として発足以来、二枚貝を中心とした様々な水産生物の増養殖に関わる民間の専門機関として今日まで取り組んでまいりました。 特に現体制においては科学的な視点から根拠ある製品づくり、サービスの提供を心掛け、二枚貝種苗の生産販売、水生生物を対象とした受託研究・製造サービス、その他水生生物の生産販売を行っております。 現在、水産業界や沿岸環境を取り巻く環境は様々な課題に直面し、早急にかつ継続的に手を打たなければ持続的発展どころか存続すら危ぶまれる状況です。 その様々な課題に対し付加価値の高い稚貝の供給や環境改善資材の開発、未利用資源の製品化支援など、製造とサービスという二軸で貢献するべく取り組んでおります。 近年では、地域の新たな産業創生支援や防疫管理体制への提言、病害対策に関する外部機関との共同プロジェクト等、そのフィールドを広げ活躍しており、まさに海洋環境を知り尽くした上で「牡蠣の地種と三倍体」の大切さについて講演しております。

「陸から海への物質循環の変化と温暖化の影響」 株式会社海藻研究所　所長　新井章吾 「海を育てたければ森の木を伐採しなければならない」 耳を疑うような発言に隠された『真実』をリアルに語るのは海藻研究所の所長。 彼は日本各地の海にダイバーとして潜り、その目で確認し自身で採取・測定をする異色の研究者である。 彼の研究テーマに海と森を繋げる海底湧水にまつわるものがある。人々の生活の利便性や財政支出のための護岸工事や集水路の設置によって、地面から地下に浸透する水が激減しているという。結果、海底湧水が消えていき海が枯れていく.. . 海が枯れていっていることは皆が分かっている事実であるが確かな原因までは理解できていないだろう。 海底湧水が海の環境にどのように作用しているか、また、それが回りまわって私たちの生活にどのように関わってくるかがわかる目からウロコの講義を是非とも聞いてほしい。これまでに気づかなかった「地上と海の意外な関係性」に気づかされるはずだ。

『牡蠣の大量へい死問題』 皆さんは「ヘルペス」と聞くと何を想像しますか？ 人間には直接的な脅威に結びつくケースは少ないですが、牡蠣にとっては「短期間」で「絶滅」させるほど大変脅威的なウイルスです。 現に2008年以降続いたいたフランスの牡蠣産業に壊滅的打撃を与えた原因だったり、また2013年オーストラリアでは、マガキ稚貝が死滅しホークスベリー川下流の15あったカキ養殖産業が3業者まで減る事態となりました。 2019年から北海道を除く全国で牡蠣の大量へい死問題が報告されておりますが、いずれも理由に挙げられるのが温暖化でそれより深く調査が進んでいないのが実態です。 今日本で何が起こっているのか。 死滅が拡大した場合、日本のシステムはどう機能するのか。 今我々は何をすべきなのか。 特に、海に関わる方は是非ご視聴いただけることを心から願っております。 また、消費者にとっても、今一次産業の現場で起こっている問題を知ることが、未来のこどもたちの食卓を豊かにすることに繋がります。 ぜひこの講演をご覧いただき、周りの方にも伝えてくださいm(__)m この内容を無料配信中です。 https://kakiforum.wixsite.com/kakiforum/blank-8

「牡蠣と文化人類学」 講師　オーストラリア国立大学アジア太平洋学部クロフォード政治経済研究所　吉田真理子 「参与観察」と呼ばれる長期のフィールドワークを通じて、牡蠣生産者さんから仲買さん、海洋生態学者の方まで日々研究している文化人類学者さんです。 これまで、東京、ツバル、ニューヨーク、ドイツとコスモポリタンな生活を送り、現在はオーストラリア国立大学大学院アジア太平洋学部クロフォード政治経済研究所に在籍しながら、博士論文の総仕上げをする傍ら、今回は「なぜ牡蠣は人類コミュニティの縮図となるのか」をテーマにご講演頂きます。 生き物としての牡蠣が食卓に上がるまで、気候変動による海洋環境の変化はどのような影響をもたらすのか。 海洋生態学者や種牡蠣の生産者、市場関係者への聞き取り、歴史資料などをもとに、牡蠣が私達の生活とどう地続きになっているのか探ります。

「オーストラリア+ニュージーランド養殖法」 講師　Hexcyl Systems:Garry seidl　　FlipFarm oyster system:Ellen 世界の牡蠣食文化圏は大きく分けて2つあります。 ひとつは殻付き流通で生で牡蠣を食べる生食中心の「欧米圏」。 もうひとつは剥き身流通で加熱調理して食べる「アジア圏」です。 アジア圏ではより大きなものが好まれる傾向があり、殻の形はあまり問われませんが、生食文化圏では、ひと口で食べることができる小ぶりで形のきれいな牡蠣が好まれます。 日本の養殖現場も生で食べる市場が急速に拡大したのに対応し、殻の形が良く、綺麗な牡蠣を造る生産者が増えましたが、講師のヘクセルシステムズ、フリップファームは、この作業効率を飛躍的に向上させる機材を提案しております。 両社の社長はオイスターファーマーでもあり、ゲリー氏が造った機材に、エレン氏が自分の海域に適合する形に改良を加え誕生したのがフリップファームオイスターシステムで、自分が欲しい道具はまず手作りしてみる！という考え方は、かきフォーラムが注目する生産者さんにも共通します。 今回は海を越えても変らない生産者の熱い想いに迫りたいと思います。

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